昨日の朝日新聞で論説委員田玉 恵美さんが「普段着のもてなし」について述べていました。
冷たいものしか出てこなかった夕ご飯
田玉さんは5年ほど前に、ドイツの地方の町に住むロートさんという方のお宅に泊めてもらったことがあるそうです。
ロートさんは森を管理する公務員で、田玉さんの旅はその仕事の密着取材が目的でした。(二晩の宿泊)
飛行機を乗り継ぎ、途中一泊し、列車と車でやっとたどり着いた目的の町。
その晩は、真夏なのに湯たんぽを借りたほど冷え込んでいたそうで、疲れはてていた田玉さんは「ああ、おなかすいた。早く温かいもの食べたい」と思ったのだそうですが。
出てきたのは、冷蔵庫の密閉容器から出てきたハムやサラミとチーズ、パンなど。
田玉さんは、それをつまみながら主菜を待っていたそうですが、そのまま夕食は終わり・・・。
次の日の朝も夜も、ゆで卵が加わったりしながらほぼ同じメニューが続いたとのことで。
「私って歓迎されていない???」なんて思ったそうです。
人が来てもいつもと同じものを食べる
今回、この記事を書くにあたり、ロートさんを紹介してくれた方に「食事が簡潔だったのですが・・・・」と切り出したら、
「あの一家は客好き」なのだと。人が来てもいつもと同じものを食べているだけで、悪気はないそうだ。「衣食住で何より大事にしているのは住。家を手入れして、普段からきれいにしているから、いつ誰が来てもいい。住まいを見せるのも楽しみなのです。
と言われたそうです。
やたらともてなすか、ゼロの日本
日本は、さまざまな調査によると、人を家に招く機会が激減しているとのこと。
たしかに友人と会うときなど、外でランチみたいなことが多い。
親族での集まりなどでも、外での会食とか、何かをとることがふえました。
家に招くとなると、片づけから始めなくちゃいけないし、ごちそうも作らなければと、気が重くなるからでしょう。
簡素な食事を囲みつつ、楽しく語らうということが減ったような・・・。
50年前の実家
今から50年ほど前の私の実家には、ふだんにお客さんが来ていました。夕食を食べ終わった頃に、近所の人や父の友人などがおしゃべりにやってくるわけです。
父はお酒をまったく飲まない人だったので、飲み物はお茶やコーヒー(インスタント)。ちょっとした茶菓子をつまみながら楽しくおしゃべりし、帰って行く。
構えたおもてなしはないけれど、気軽に行き来する、そんなおつきあいでした。
今は、人が来るとなると、かなりよそ行きにごちそうを作り、恥ずかしくないようなお菓子屋さんでデザートを買ったり。
そりゃあ、億劫にもなりますよね。
普段通りにちょいプラスくらいでいいかな
上で紹介したドイツのご家庭の夕食は日本人にはちょっとなじまないかもです。
せめて温かいスープがほしい・・・。
先日、「あつまれどうぶつの森」を持って遊びに来てくれた友人とも、ふだんは外でランチということが多いです。
でも、この時は我が家でお昼を食べました。
メイン、友人に買ってきてもらったパン。
それに前日の残りのカボチャスープ。(翌日のランチに出そうという心づもりで作りました)
あと、これおいしいのよと黒豆納豆。←市販品ですよ(好みじゃないかもしれないので少量)
そしてうまくできたからと手作り甘酒。(数日前に作っていたもの)
コーヒー。
お昼に作ったものはコーヒーだけです。
私だって、もうちょっとましなごちそうも作れないことはないですよ^^
でも、これくらいがほどほどでいいかなと思ったのです。
やり過ぎると、招く側だけじゃなく、招かれる側も疲れませんか?
一番必要なのは家が片づいていることかな
私の場合、家さえ片づいていたら、あとはてきとうにお餅を焼いたり、お茶を出したり、ミカンを食べたりで、楽しめます。
でも、家が片づいていないと落ち着かない。
家を片づけて、気軽に人を招き、少しだけもてなし、のんびりおしゃべりをする。私が目ざすところはそんなところでしょうか。
やっぱり家は片づけよう!
ユーチューブやインスタグラムの、美しい食卓。
あれをスタンダードと思っちゃあいけませんよね。ボチボチいきましょう。
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