Mさんの悩み
先週のこと。
近所のMさんが「おすそわけです」と言ってババロアを持ってきてくれたのですが。
「このところ悩みごとがあって、熟睡できない」と言いだしました。
「ふむ、どういった悩み?」
「私、いいことばが出てこないの」「なにか、礼状をと思っても、気のきいたことばが出てこない」
「それが夜も眠れないほど悩みなのかい?」
「なんだか年だけとって、ひとつもちゃんとしてなくってと思うと、頭がそればっかりになって眠れない」とのこと。
こんな悩みを切々と訴えるMさんは71歳。聞いている私は62歳。
昔60、70の人はめちゃくちゃしっかり見えていたが、あの人たちにもこんなフワフワした悩みがあったのか?
Mさんよ。「気のきいたお手紙を書いてくれるからあの人が好き!なんて人はいない。そんなに気にやむことか?!」とはげます私。。。
Mさんとの関係
Mさんはかわいらしくて、やさしくて、信頼できる人。
私の暮らしの中では、オットとムスメの次につながりが深い人かもしれません。
この地に越してきて以来28年間、頼りにしてきました。
「Mさんは、私の葬式に来てほしい5人の中の一人だよ」と妙ちくりんな表現で、Mさんがいかに魅力的で欠くべからざる人物かを力説する私でありました。
Mさんのこの悩みは、ご本人に取っては切実で、長年、ちらちら聞いてきました。
たとえば、このことばの問題は、お子さんが小さいときに、その時々でふさわしいことばかけができていなかったんじゃないかみたいなことにもつながるわけです。
(Mさんはそのときどき精一杯ていねいに子育てしてきたのに・・・・)
そんなこともあり、なんとMさん、携帯電話を持っていないのです。
メールやラインの返信を思うと気が重くなるとのこと。
オットにこの話をしたら、真剣な顔で「わかる!!」と。
オットも自分のことを「思ったことをうまい具合に文章にできない人間だ」と思っているもよう。
上手な言葉かけをしたり、絶妙なお手紙が書けなくても、その人の思いや誠実さってちゃんと伝わって、その方が大事なような気がするけど・・・と思う私。
でも、悩みは悩みだから、言われたときには「ウンウン、そうなんだ」と聞くことにしようと思ったのでした。
↑の写真はMさんが持ってきてくれた甘平という名のみかん。遠くのご友人から届いたとのこと。その中に、短いけど気のきいたお便りが入っていたもよう。頃合いを見てMさんも何かお返しを送らなくちゃと思うものの、そこに入れるお手紙を思うと気が沈み・・・、悩みまで発展したようです。
お読みいただき、ありがとうございます。ポチッと押していただけましたら、励みになります。