NISAのブームで蘇ってきた記憶
40年前。
まだ私が20代半ばだったときなこと。
職場に50代の同僚がいました。
Kさんとしましょう。
Kさんは地元採用の方で、職場の掃除やお茶出し、郵便局やら何やらへの用事など雑事全般を引き受けてくれる方でした。
私とは母と子くらいの年の差がありましたが、かわいがってくださいました。
職場で一番のお金持ちは?
Kさんは中卒で働いていて、他は全員大卒の職場でしたが、全職員の中でKさんが一番のお金持ちでした。
夫婦共働きで、休日は農作業に勤しみ、自給自足に近い暮らし。
出すべきところには惜しまず出すけれど、無駄遣いはしない、そんな暮らしをしていたからです。(まったくケチではありませんでした)
お嫁さんみんなに電子レンジを買ってあげたの。
子どもさん家族も含めてハワイに行ったけど、全額出したのよ。
エルサレムに聖地巡礼に行ってきたの。(敬虔なクリスチャンでした)
などなどの話をしてくれましたが、ぜんぜん自慢がましくありませんでした。
それはKさんの日頃の働きぶりや、見栄をはらないお人柄、お金を使わない暮らしを知っていたから。
職場でも、自宅から持ってきた食材でササッとお味噌汁やおうどんなどを作り、お昼にみんなに振る舞ってくださったり。
ご主人と二人で月収60万円としたら、何もない月は10万円で暮らし、50万円は貯蓄する。
そんな暮らしをしていたのではないでしょうか。(定期預金の利子が7%とかの時代です)
積立を勧められた
Kさんは、毎日毎日郵便局や銀行に行く中で、誰にも負けないくらいの金融知識を身につけていて、実践もしていました。
であるとき、浪費家の私を見かねたのか、野村證券の積立にびっくりするように増えていくのがあるから、月1万円ででもやってみない?と勧めてくれたのです。
月1万円ならと始めたら(給料天引きでした)、ほんとうに、あっという間に増えて100万円を超える額に!
でもそんな中、私は転勤でその職場を離れることになりました。
そうしたら、その積立投資、一旦やめなくてはならなくなったのです。(やめなければならなかった理由も覚えていません)
おぼろすぎる記憶
あっという間に増え、100万円になった記憶はある。
だけど、いくら積み立てたからそうなったのか?
何%くらい増えたのか?
転勤先では継続できなかったのか?
そもそも私がやっていたのは何?
何も覚えていません・・・。
バカな私。
解約した100万円も何に使ったものやら。
チャンスの前髪に気づいていなかった私
あのとき、
1万円の積立額を2万円にしていれば。
そしてそれを3万円に。
なんて道もあったはずなのに、そんな手続きは何もせず、あったらあっただけ使う暮らしを続けた私。
最近になり、私が40年前にしていたのが積立投資をだったんだろうなと思うのですから、あきれるしかない。
ま、過ぎた過去を悔やんでも仕方がない(涙)。
今できることをしよう(涙)。
Kさんからは転勤後も、山で取ってきた筍を湯がいたのや、お赤飯、つわぶきなど心づくしのものを送っていただきました。
情の深い人でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。